ZoomのMSIインストーラーで痛い目にあったのでまとめておく

Technology

ZoomのMSIインストーラーについて、一回痛い目にあっているので備忘録としてまとめておく

発生する問題

Zoomには「Zoom ソフトウェア四半期ライフサイクル ポリシー」というものがある

Zoom ソフトウェア四半期ライフサイクル ポリシー
Zoomは3か月ごと(2月、5月、8月、11月の最初の週末)に、プラットフォームの必要最低バージョンを設定します。各適用が有効になると、Zoomは3か月後に必要となる必要最低バージョンも公開します。3か月前に通知するアプローチをとることで、...
  • Zoom は 3 か月ごと(2 月、5 月、8 月、11 月の最初の週末)に、新しい最小バージョンを適用しています
  • Zoom は、アプリの特定バージョンが終了と見なされるまで、少なくとも 9 か月間はサポートするよう努めます
  • 終了と見なされる時点で、ユーザーは最小バージョンまたはそれ以降に更新するよう求められます。
  • 最小動作バージョンの終了が近づいても、所定期間内に更新しなかったお客様はどうなりますか?
    • お客様は、サインインまたはミーティング / ウェビナーに参加する前に、Zoom デスクトップ アプリまたはモバイルアプリを現在の最小バージョンに更新するように求められます。すぐに更新できない場合は、代わりにウェブアプリを介してミーティングに参加するオプションが提示されます。

つまりZoomは特定バージョン以上をサポートし、それより前のバージョンについてはユーザーがデスクトップアプリケーションを更新しない限りは利用できなくなります。

この前提において、管理者がなにも考えずにMSIインストーラーを利用すると痛い目にあいます。

msiのインストーラーの場合、ユーザー側でアプリケーションの更新ができないのがデフォルトだからです・・

つまり、ユーザー側でZoomクライアントをアップデートをすることができません。バージョンが固定されます。ということはある日を境に一斉にZoomクライアントが利用できなくなります。

グループ ポリシー オブジェクトによる大規模展開
MSI インストーラを使用すると、Windows に対して Zoom デスクトップ クライアントの展開および設定を一括で行うことができます。管理者は、ミーティング ホストが誰であるかにかかわらず、ユーザーが参加するすべてのミーティングにおけ...

一次対応

すでに問題が発生している場合、いくつかの対応方法があるかと思います。

ざっと思いつくもの書きます。

  • ユーザー側で一度Zoomクライアントをアンイストールして最新のmsiインストーラーでインストールを行ってもらう
    • このときIntune側で古いバージョンのアプリケーションを配っている場合、再インストールが走ってしまう可能性が高いので一度アプリケーションの配布を止めます
  • このあと書きますがZoomのアップデートポリシーを制御する方法は大きく分けて3通りあります。
    • すでにインストールをしてしまっているので1は利用できません。そのため、2,3の方法で対応を行います。
      • 1 MSIインストーラー実行時にオプションを指定して制御する
      • 2 GPO(管理テンプレート利用)を使って制御する
      • 3 レジストリによる制御

自分の場合は取り急ぎ、Intuneを利用してレジストリを配布しました。

公式にページに記載がある通り、レジストリの場所は以下です。

  • HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Zoom\Zoom Meetings\General
  • HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Zoom\Zoom Meetings\Meetings
  • HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Zoom\Zoom Meetings\Chat

EnableClientAutoUpdate はGeneralに下記の値で配布します。

値の名前:EnableClientAutoUpdate
値の種類:REG_DWORD
値のデータ:1 (有効にする場合)

これで自動更新が有効になりました。

レジストリの配布方法は下記を参考に

IntuneでWindows10にいろいろなものを配ってみる - Qiita
はじめに 最近の案件で、IntuneをiOSやAndroidだけでなく、Windows10の管理にも使うケースが増えています。 これによりActive Directoryや、SCCM、WSUSといったオンプレの資産を持たなくてもPC管理がで...

恒久対応

恒久対応は大きく分けて2つ「MSIインストール時にオプションを指定する方法」と「ポリシーで制御する方法」です

MSIインストール時にオプションを指定する方法

下記のページを参考にしてください

事前設定での大規模展開: Windows の場合
Zoom デスクトップ クライアントは、設定とインストールの両方を行う MSI インストーラ、グループ ポリシーを利用した Active Directory 管理テンプレートによる設定、レジストリキーによる設定の
msiexec
msiexec コマンドのリファレンス記事。コマンド ラインから Windows インストーラーに対して操作をインストール、変更、実行する手段を提供します。

使いそうな値をピックアップしておきます

オプション

MSIオプション説明展開例・値
サイレント インストールユーザー操作、インストール ウィンドウ、即時の再起動なしでクライアントをインストールします。msiexec /i ZoomInstallerFull.msi /quiet /qn /norestart /log install.log
zNoDesktopShortCutインストールまたは更新時にデスクトップ ショートカットが作成されないようにします。msiexec /package ZoomInstallerFull.msi /lex zoommsi.log zNoDesktopShortCut=0
zSSOHostこのオプション(デフォルトで無効)を有効にすると、SSO URL を事前に設定できます。msiexec /package ZoomInstallerFull.msi /lex zoommsi.log zSSOHost=”vanity_URL”
ZoomAutoUpdateデフォルトで無効になっている場合、クライアントの [アップデートを確認] オプションが削除され、ユーザーは、Zoom クライアントの更新プログラムの確認とインストールを行えなくなります。 自動更新が有効になっている場合、ユーザーはクライアントで更新プログラムを確認でき、アップデートする際に管理者権限は必要ありません。
重要事項については AutoUpdate に関する重要な注意事項をご覧ください。
msiexec /package ZoomInstallerFull. msi /lex zoommsi.log ZoomAutoUpdate=1

追加設定オプション

  • zConfig: 特定の設定を行う必要がある場合、zConfig パラメータをインストールに選択したものを最後に追加します。
msiexec /package ZoomInstaller.msi /norestart /lex msi.log ZConfig="account=your_account_id;nogoogle=1;nofacebook=1”
MSIオプション説明
NoFacebookFacebook サインイン オプションを削除します。
NoGoogleGoogle サインイン オプションを削除します。
EnableAppleLoginApple サインイン オプションへのアクセスを許可します。
DisableLoginWithEmailメール サインイン オプションを削除します。
DisableKeepSignedInWithSSOクライアント起動時に新たに SSO サインインを要求します
AutoSSOLoginSSO を使用するデフォルトのサインイン
ForceSSOUrl=your_companySSO サインインのためにデフォルトの SSO URL を設定し、ロックする。
たとえば、hooli.zoom.us は、ForceSSOUrl=hooli として設定されます。

ポリシーで制御する方法

下記のページを参考にしてください

グループ ポリシー オブジェクトによる大規模展開
MSI インストーラを使用すると、Windows に対して Zoom デスクトップ クライアントの展開および設定を一括で行うことができます。管理者は、ミーティング ホストが誰であるかにかかわらず、ユーザーが参加するすべてのミーティングにおけ...

Intuneを利用している場合、ADMXの取り込みが可能です

Microsoft Intune でカスタムおよびサード パーティのパートナー ADMX テンプレートをインポートする - Microsoft Intune
Microsoft Intune では、カスタムおよびサード パーティのパートナー ADMX ファイルと ADML ファイルを追加、アップロード、またはインポートできます。 インポートされたら、デバイス構成プロファイルを作成し、プロファイル...

使いそうな値をピックアップしておきます

レジストリ説明
DisableCreatingDesktopShortcutインストールまたは更新時にデスクトップ ショートカットが作成されないようにします。
EnableClientAutoUpdateユーザーによるクライアントを通じた更新を有効にします。 無効にすると、[更新を確認] ボタンも非表示になります。
重要事項については、AutoUpdate のセクションを参照してください。
DisableFacebookLoginFacebook サインイン オプションを削除します。
DisableGoogleLoginGoogle サインイン オプションを削除します。
EnableAppleLoginApple サインイン オプションへのアクセスを許可します
DisableLoginWithEmailメール サインイン オプションを削除します。
DisableKeepSignedInWithSSOクライアント起動時に新たに SSO サインインを要求します。
ForceLoginWithSSOSSO を使用するデフォルトのサインインです。
SetSSOURLSSO サインインのためにデフォルトの SSO URL を設定します。
たとえば、hooli.zoom.us は「SetSSOURL=hooli」として設定されます。
ForceSSOURLSSO サインインのためにデフォルトの SSO URL を設定し、ロックします。
たとえば、hooli.zoom.us は「ForceSSOUrl=hooli」として設定されます。

以上

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